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 成体の空間的な精巧さや、体内時計のような時間的なリズムなど、生物の特徴の一つは自律的な調和の美しさでしょう。これは細胞のレベルでも同様です。細胞の運動は、細胞というマクロな場の中で様々なミクロな要素が相互作用し成り立っています。我々の研究室では生物物理学的手法で細胞運動の研究を行っています。

現在行っている主な研究
遊走細胞のかたち
 遊走(アメーバ運動)の実体は、細胞前端の伸長と後端の収縮というミクロな変形の連続です。そのため一般に遊走細胞は不定形です。ところが魚類表皮のケラトサイトという細胞は移動中、餃子のような形を維持します。この餃子形は他の細胞も時折示すアメーバ運動のための理想形です。どうやってミクロな変形の連続がマクロな細胞のかたちを維持できるのか、私たちは興味を持っています。



餃子集団として遊走するケラトサイトたち

taken by Okimura C


繊毛群のメタクロナールウェーブ
 繊毛は単細胞生物ゾウリムシから高等動物の気管上皮、卵管等にまで普遍的に存在し水流を発生させています。1本1本が独立に運動しているにも関わらず、隣接した繊毛は一定の位相差を保って屈曲を繰返します。そのため繊毛の屈曲は細胞表層を美しい波として伝播します。この屈曲の波をメタクロナールウェーブとよびます。メタクロナールウェーブ生成・伝達のメカニズムにも私たちは興味を持っています。



ゾウリムシ繊毛群のメタクロナールウェーブ

taken by Narematsu N


研究方法
 光学顕微鏡で生命現象を直接観察することが主な手法です。一般の顕微鏡の限界を超える撮影を行うため、電気回路や機械工作、プログラミングの技術を駆使し顕微鏡を改造します。ちょうど自動車マニアが自動車を改造する感覚です。現在は細胞遊走の3次元動画撮影に挑んでいます。
 研究論文は“作品”です。そのため私たちは研究内容の独創性や映像の美しさにこだわります。



Faculty of Science, Yamaguchi University
© 2008 Iwadate Y